名古屋を中心に都市型コミュニティを再設計する株式会社ABパートナーズ

建築のハコだけをつくってよし→建築の中身をつくる

昨日、ある方のご紹介で、とある高齢者施設をご訪問しました。

 

高齢者施設といっても具体的にはサービス付き高齢者向け住宅(通称 サ高住)というものです。

詳しくは下記のウィキペディアをご参照ください。

 

元々このサ高住の前身は高齢者専用賃貸住宅(通称 高専賃)他2施設で、2001年から国交省が主体となり整備を進めていました。

その中で、高齢者住宅といっても高齢者の中身は様々で、ハコだけ提供するのではなく、介護サービスや買い物支援、外出の付き添いなどの生活支援サービスなどの「中身」が入っていなかったため、2011年に国交省と厚労省が関連法を施行し、サ高住に全面移行しました。

 

この流れからも何となく見えるように、高齢者向け住宅といっても最初は厚労省の分野である介護施設ではなく、住宅だからということで国交省が主体となって整備を推し進めました。

けれども住宅だけつくっても中身が伴っていないよねということで中身であるサービスを付加したのです。

 

結局背景として、高齢者がどんどん増える中、医療費が高騰し、国の財政を圧迫し、医療費を下げるため(その他の要因も含めて)入院施設を減らし在宅で見ようという流れになりました。

けれども在宅で高齢者を見てほしいといっても、ふたを開けると世帯では共働きばかり。介護サービスが整っていないよということで、デイサービス、訪問介護、一方で有料老人ホームや当初の高専賃などの高齢者向け住宅が次々に生まれました。

 

私も当時設計事務所時代に有料老人ホームやデイサービス、グループホームなどの新設には多く携わりました。

2001年以降介護業界には新規参入が相次ぎ、どんどん施設数も増えていきました。

 

そして話を戻すと、冒頭の昨日のサ高住ですが、それは素晴らしい造りの建物で規模としては100室超の大型の施設です。

今春オープンとのことでしたが稼働率は15%程度。。大きな負債を抱え、逼迫した状況でした。。

 

何が言いたいかと申し上げると、今まで列記してきました施設等の利用者はあくまでお年寄りです。

 

お年寄りが本当は何を求めているのか、一方で在宅在宅と言っているけどお年寄りのいる世帯は何を本当は求めているのか。

 

何か世の流れがこういった本質が不在で、建物ばかりビジネスばかり横行し、本来のお年寄りや家族が置いてけぼりになっているような感覚に陥るのです。

 

 

2年前、お仕事で高齢者の方の住宅の売却に関わったことがあります。

 

売却の理由は様々ありましたが、所有者の方は80代のお一人暮らしの女性の方でした。

まだお元気で普段は自転車で買い物に行かれていました。

ただご主人が前年に亡くなり、お子さんもみえないため、郊外のご自宅なので自転車が乗れなくなったら、バスも通っていなく、、

ということもあり、市街地で一人暮らしが出来る賃貸物件は無いかと探しましたが、いくらご自宅を売却した貯金があると言っても年金収入だけのお年寄りに貸してくれる賃貸アパートは全くなく、一方で先ほどのサ高住も行きましたが、サービスは付加されているものの正直月々の家賃は高く、現実的ではありませんでした。

結局その方の故郷に戻り、ご兄弟の近くに住まわれることになりました。

 

その方はただの一例に過ぎないかもしれません。

 

ただ氷山の一角でもあり、潜在的にはこれまでの経緯が大きな潜在的なミスマッチを抱えていることも感じています。

 

建物はもちろん大事です。

 

ただ何のための建物で、それをどうしてくるのか、長期的な視野でその中身をよくよく考え、それに沿った建物つくりをしていかないと一度建ってしまった建物は簡単に修正はきかないのです。

 

高齢化が進んでいるから、政策がこうだから、法的に整備されたから・・・

 

そういった理由で次々に進められているのも現状です。

冒頭の高齢者向け住宅の経緯にもあるように国も現状と違うと気づくと法律をすぐに変えてしまいます。

そのときに対応できる建物でしょうか、対応できる事業内容になっているのでしょうか。

 

昨日の出来事は、かつて自分もハコものばかりつくってきた立場として、すごく他人事とは思えない危惧する出来事でした。

 

 

当社として、現在経営者向けの不動産から建築までのトータルでの開店・開業支援するサービスを構築しております。

 

お客様である経営者の方がどんな目的、想いで事業をされているのか、どんな考えでそのお店(事業所)をつくられたいのか、どんなビジョン、方向性を考えられているのかきちんとお聞きし、それに最適な物件を一緒に探し、用途によっては役所調査をし、リニューアル工事に当たってはどこにお金をかけ、どこは抑えるのかを突き詰めていきます。

 

かつては引き渡したらおしまい、やったらよしということが否めませんでした。

 

開店・開業されてからが本当の意味でのスタートです。お付き合いは一生続きます。

 

お客様が発展・繁栄し続けるための建築・不動産の分野の専門家として私どもがいると思っております。

 

 

【参考】

サービス付き高齢者向け住宅

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%93%E3%82%B9%E4%BB%98%E3%81%8D%E9%AB%98%E9%BD%A2%E8%80%85%E5%90%91%E3%81%91%E4%BD%8F%E5%AE%85


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